「こないだのあの子、結局イかせて上げなかったんだね?」 闇の回廊の中を歩くのは二つの影 背の高い影は淫魔の王ペール 小さな影は妖魔の王ジェイドであった 今しがた話題に上っているのは青い髪をした青年ナッドバルトの事であった 2人は青年を幾度と無く嬲ったのだが 結局、彼の口から従順な言葉は何一つ紡がる事はなかった。 強情な青年を思い出し、ペールは額に青筋を浮かべた 「あのガキ、ヘンなところで強情でよ、ムカつくからそのままにしてやった」 ケケケと口元を広げ笑い ペールは静かに目の前を見据えた 辿り着いたのはみすぼらしい扉 この奥に 先程の青年が捉えられている 「で、今日はどうするの淫魔王さま〜?」 「てめぇは、イチイチムカつくんだよ・・・・」 ジェイドの揶揄に溜息をつきながら、ペールは扉を蹴り開けた ドンという音と共に扉は開き ソレと同時に部屋の奥に繋がれた青年が、ビクリと体を振るわせた。 全裸のまま不安の表情を浮かべていた青年は 目の前に現れた二つの影を目の当たりにし 眉間に皺を寄せた 「・・・・俺をどうするつもりだ・・・・」 まだ逆らうだけの余力があるのか 自分の調教もまだまだだと肩を竦め ペールは静かに青年に歩み寄った 「お前さぁ・・・・」 ガッ 何の躊躇も無くナッドを殴り飛ばし 床に叩きつける 「自分の立場ってのがなぁ・・・・」 ゆっくりと青年を見下ろし 右足を静かに上げる 「まだ理解できてねぇかぁ!!?、あぁん!!!!?」 躊躇無く青年の腹部に ペールの足が蹴り付けられた 「げぅ!!!」 涙と唾を撒き散らせながら 青年は床に倒れ伏せる 「うわー、ペールたん酷い事するぅ〜」 「ばぁか、躾だ、し・つ・け」 イラ付いてしょうがないと言った面持ちで ペールはナッドの顎を鷲づかみにし、持ち上げると 己の顔の前に引き寄せた 「ほぉら、復唱。『生意気な口を利いて申し訳ありませんでした。御主人様』」 ギロリと青年の瞳を覗き込み言い放つ しかし、彼は静かにペールを睨みつけたまま、口をカタクナに閉ざしたまま微動だにしない。 「復唱!!!!」 部屋の中に怒号が響いた しかし、ナッドはソレを行う事は無かった 「・・・・・・良い度胸だ、ガキ・・・・」 ギリリと口をかみ締め、ペールはナッドを床に放り捨てる そして、静かに踵を返すと、部屋の隅に備えてある燭台に手を掛ける 明々と輝く蝋燭が、ペールの中にと納まる 「いう事聞かねぇ、駄犬には、お仕置きが必要だよなぁ、ジェイド?」 「あぁ〜、もぅ。また悪いこと考えてぇ〜♪」 悪戯を思いついたような表情をうかべるペールを、楽しげに見つめジェイドはニヤニヤと笑みを貼り付ける。 これから行われる行為など、容易に想像が付いた ナッド青年は恐怖の表情を浮かべ、静かに身をよじり、この場から逃れようと試みるが 先程入れられた一撃のせいか、体が思うように動かない そうこうしているうちに、床に這いつくばるナッドの目の前に ペールの足が映りこんだ 「何処行く気だ、あぁん?」 言葉の直後だった ナッドの背中に刺すような熱が降り注いだ 「ひぁ!!!」 あまりの出来事に身をよじるナッド そんな様子が滑稽で面白いのか、ペールは邪悪な笑みを浮かべながら 手の中の蝋燭を傾ける 「逃げんなよ」 ぽと、ぽとと 「アツ、あ!!!ひぃぃ!!!」 身をよじる様はまるで芋虫のように無様であった そんな光景が楽しくて楽しくて仕方なく ペールは幾度と無く蝋燭を傾ける 「あっ、ひああ、も、止めて・・・・くれ!!!!!」 「そんな言い方じゃ、駄目だナァ〜」 「あつい、あ、あつい、あああ!!!」 涙を浮かべ、悲鳴を上げる青年 だか、ペールは知っていた 彼の性を そう、ナッドのペニスは 彼の表情とは裏腹に、雄々しく膨れ上がっていたのだ 「なんだ、おめぇさん、気持ちいのか?」 ニヤニヤと微笑み、ペールは彼の一部を指差した 視線の先を見つめ、ナッドは己の醜態を目の当たりにする 「違う・・・これは・・・・」 「違わねぇなぁ」 青年の体を勢い好く踏みつけると、浴びせかけるように言葉を吐き出す 「おめぇさんは、こんな事されて興奮しちまう淫乱マゾ豚なんだよ!!!」 ビクリと体を振るわせ、ナッドは視線を逸らし顔を赤く染めた 「違う、違う!!!」 かたくなに否定するその様を見、ペールは満足そうに微笑んだ 「ま、いい、今日は少し楽しめた・・・・」 静かに微笑みナッドの体から足を離した アンドの表情を浮かべるナッド ソレを確認した後、ペールは静かに蝋燭を持つ手に炎の魔力を込める、そして 「今日はコレで勘弁してやる、よ!!! 次の瞬間 ナッドの体全体に 炎で解けた蝋の雨が 一気に降り注いだ 同時に、青年の凄まじい悲鳴が辺りに木魂した |