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ちょっと早いんですが、バレンタインデー企画みたいな感じで一枚仕上げて見ました
まぁ、何を隠そう、ワシは石化とかがかなり好きだったりします
チョコレートになった青年、しかも美味しく食べられる
となったら、意外と面白いかも♪
なんて思いながら、今日は一枚書いてみました
・・・・・・・如何なもんでしょうか?

「やほーペールたん♪」
 イキナリ湧いて出たショタっ子に、ペールは顔をしかめた
 妖魔王ジェイド
 コレが陽気に話しかけてくるときほどろくなことは無い
 見れば奴の傍らにはシーツで覆い隠した『何か』が
 コレでもかと言うほど存在感をアピールしている
「何のようだ?」
 額に縦皺を寄せて、ペールは静かに腕組みした
「いやー、こないださぁ、古い文献をよんでね
 異界の文化を勉強してたらさー、面白いものを見つけてね?」
 キラキラと瞳を輝かせながら微笑むジェイド
 コレだけを見ていたら、普通の魔族少年に見えなくも無いのだが・・・・
「同期の人や、親しい人に、チョコレートを送る習慣がとある世界にはあるらしいんだ!!」
 ・・・・・・・・・・・・
 また唐突に何を考えているだろう
 よくよく考えてみれば、今しがた、この周辺にチョコレートの匂いが充満している気がする・・・・
 そして、その匂いの元は・・・・・・
 ペールは静かにジェイドの傍らのシーツに視線を送る
「何時も仲良くしてもらってるペールたんに、僕からチョコレートの贈り物だよーーー♪」
 元気に言い放ち、ジェイドはシーツを引き剥がした

 シーツが風に舞う音とともにあたりに撒き散らされる甘い香
 そして・・・・・・それが姿を現した
「っアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!?」
 ペールのお気に入り生徒の成れの果て・・・・・・
 ペールが次の得物として目をかけていた男子生徒
 彼がそこにいた
 いや、正確には、彼だったものが、ソコに佇んでいた
 薄笑いを浮かべ、呆けた顔をさらした
 チョコレートの像

「お、お、おま・・・・・・」
「いんやー、大変だったんだからー、錬金術で人間をチョコレートに変えるのー♪
 さ、たーんと召し上がれ♪」
 パクパクと口を開き目を見開き
 ペールは唖然と佇んでいた
 そして、ふと気が付く、ジェイドの邪悪な笑みに
 このガキ
 俺の得物と知っていながら・・・・・・・・・・
「ジェイドォ〜、テメェ・・・・知っててやったな・・・・?」
「ん当然♪」
 少年魔王は悪びれる様子も無く、あっけらかんと言い放った
 次の瞬間
 ペールの手の中に凄まじい焔が終結したと思うと
 彼の手の中には一本の大鎌が握られていた
 その瞬間、凄まじい熱を浴び
 チョコレートの像は、一瞬にしてチョコレートの液溜まりにと姿を替えていく
「覚悟できてんだろうナァ、ゴラァアア!!!!!」
「にゃははははは、ペールたんが怒ったー♪」

 漆黒の闇の中
 2人のやり取りを見ながら
 公爵は一人紅茶をすするのであった
「平和ですなぁ・・・・・・」

                                           了