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 ディレックが次にたどり着いたのは巨大な部屋であった
 すり鉢状のコロシアムといった形のその部屋には
 観客席かと思える様に、ずらりと青年達が座らされていた
 みな一様に一糸纏っておらず、疲れきった表情を浮かべ
 中には既に正気を失ってしまったものたちも見て取れる
「たしゅ、けれ・・・・おねがひ・・・・かは・・・・」
 聞き覚えのある声にディレックは振り返る
 そこには、先ほど折を抜け出した男が腰掛けていた
 彼のペニスには巨大な触手の様な者が絡み付いていた
 いや、絡み付いているというよりも、触手はペニスを侵食していた
 絡みつき根を張り、既にひとつの肉として、それらは共に脈を打っていた
 切り離す事は難しい
 恐ろしい様に、ディレックは息を呑んだ
 青年は、ディレックに気づいた様子で、彼に向けて救済を求め視線を送る
 涙と鼻水をたらし、動かない舌を何とか動かし懇願する
「たすけれ・・・・もぅ、む・・り・・・でな・・から」
 そして次の瞬間
「いっぎああああああああああああああああ!!!」
 びくりと体をのけぞらせ、青年はその場に倒れ付す
 見ると、触手が勢い良く脈を打っている
 どうやらすさまじい勢いでペニスから精液を吸い上げているらしい
 じたばたと体を蠢かせ刺激から逃れようと試みるが、同化してしまったそれが離れるわけも無く
 いつ終わるとも解らない地獄の責め苦に青年は悲鳴を上げつつけた
 おそらく、精巣が壊れて、精液が生成できなくなるまで
 あの責め苦は続くだろう、彼の精神が崩壊しようと、精巣がなくならない限りは終わる事は無い

ふと気づくと、何本かの触手がディレックの周囲に立ち上がり始めた
彼を新たな獲物と判断し始めているのだろう
ここにいては彼らのようになってしまう
ディレックは足早にその部屋を後にした

魔族にとって精液は大切なエネルギー源
純粋な精液を搾取するための大部屋、それがここなのだ