ルフトは逃げた、ただひたすらに逃げた
一心不乱に逃げた
外部に逃げるには門を通らなければ無からなかったが
ロビーでは恐ろしい見せしめが行われていたため、迂回せざるを得なかった
外に出るには、他には使用人たちの勝手口ぐらいのものだ
最も近い勝手口は、台所の裏にあるものである
そう判断したルフトはすぐさま台所に踏み込んだ
そこで、彼は地獄をみた
若い青年達の裸体が、無造作に転がっていた
皆タコの様なバケモノに犯され、壊れた笑みを浮かべてたまま動かなくなっていた
唯一の救いは、彼等のペニスは雄々しくそそり立っており、快楽の中壊れてしまったのであろうという事であった
まるで死体置き場と見間違うような光景であったが
転がる青年達は、皆生きていた
ドクリドクリと、彼等の体が脈を打っているのが遠目にも解った
それは、死体と言うよりもサナギであった、人間の体をしたサナギがこの部屋の床を覆い尽くしていた
その中で、一つのサナギに寄り添う少年の姿があった
良く見ると、床に転がる青年はルフトの世話役の青年の一人であり、傍らの少年はその弟であった
魔物達の襲撃を逃れる事ができたのであろう、動かなくなった兄に必至にすがり付いている
そのときだ、不意に青年の頭部に亀裂が入った
そして、青年の頭を内側から突き破りながら、ソレが孵化した
ソレは、バケモノであった
タコのバケモノに犯され、青年は獣として生まれ変わったのだった
「あ・・・ぁぁ・・・にいちゃ・・・・にいちゃん?」
後ろに尻餅を付き、愕然と己の兄であったものを仰ぐ
獣はユックリと、目の前の少年に視線を落とした
孵化したばかりで、腹が減っていた。そして目の前には無抵抗な獲物が転がっていた
「僕が・・・僕だよ・・にいちゃ!?」
獣は、喚く事しか知らないこの獲物に覆いかぶさると、悲鳴を上げさせる暇を与えず
その頭を噛み砕いた
獣は、少年であった物が、骨の欠片になるまで一心不乱に貪り続けた
むせ返るような血の匂いに、凄まじい吐き気を覚え
喉の奥から溢れそうになる吐瀉物と絶叫を飲み込みながら、彼は静かに部屋の扉を閉めた
彼が占めた扉の向こう、サナギの中からバケモノ達が静かに孵化を始めていった
オリジナル設定の一つ 『悪魔の種』ですタコの形をしていて、相手を犯して中の種子を植えつけ 宿主と一緒にサナギになります 宿主はそのまま人間の形をしたサナギとなって最終的にはバケモノになります 因みにコレによって化け物になった物は、最も位の低い捨て駒用として魔族の軍に取り込まれます かなり前から考えていたんですが、中々載せる機会が無くて 今日やっと載せられました わーいw |